火鏡
砂木

ドラムカンの 外にはみだしてくる
火の勢いに のまれてく

窓から見下ろした 交差点
流し込んだ 健康飲料水
一回 千円のカットだけの看板

マラソンの金メダルのテレビ放送
セルフサービスでついたテーブル
お金を用意していて乗ったタクシー

汽笛になじむはずもなく
領収書をなくさないように
ヨーグルトは きらさないように
明日は 迎えなければいけないと
やみくもにアクセルふかして
九分しかない乗り換えのために走った

開けた箱は 箱だけのゴミになりました
知っていたのだから
言わないだけなのです

火という火に 告げて貰いたいのです
もう 燃やしたものを燃やしはしないと




自由詩 火鏡 Copyright 砂木 2007-05-23 00:52:23
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