愛死
おるふぇ

口をつぐみ
問い掛ける
エゴに塗られた詩の序曲

床に灰の心臓
自由を亡くした鳥の眼球
合成され天然を離れた生物の剥製
緑色した血液の奇妙な哭き声
この世の終わりを殺した爪と毒性臓器
機能する世界の不全の一幕

劇中劇の主役は蒼白の面持ちをして助けを求める
ここに生きているものはない
実験室
フラスコの中から
無限の宙を視る

どうしてだろう
故郷があったような気がする
この肌がいつか
触れたような気がする

いつだったかは忘れた
偽物の雨に濡れ
嘘臭い雷鳴は轟き
影は死神の形状に歪んでいる

いつしか血の臭いに
錯乱の夢が混じっていた

丸いものを恋て
乳房の甘やかな睡眠薬で
辛うじて正気を繋いだ
明日は解らない
夢から醒めるだろうか
気怠いのっぺりとした平凡で
窒息するのだろうか

恐竜の頭上に絶望色の虹が出たよ
あの未来へ誰もが
金を出してでも
トリップしたいのか

これが全てだと思った
あなたが愛だと思った
別に否定されてもいい
あなたが愛ならば
その為に死にたい



自由詩 愛死 Copyright おるふぇ 2007-05-19 00:44:06
notebook Home 戻る