石を投げる少年
ぽえむ君

夕焼け空の中だった
買い物から帰る途中の道で
少年は子猫に向かって
石を投げていた

少年はすでに泣いていた
ぼくの家では猫は飼えないんだ
小さな声だった

ぼくが悪いんだ
お腹を空かしたこの猫を見て
給食のパンをあげたら
ずっとぼくについてきて
家まで一緒に帰ったら
お母さんに怒られて
外に出しても
外に出しても
またすぐに戻ってきちゃうんだ

だから
だから
こうして石を投げれば
ぼくはこの猫に嫌われるんだ

少年は力の限り
石を子猫に投げつけて
全力で家に走っていった

猫の姿もどこにもなかった

気がつけば
夕焼け空から
冷たく暗い空になっていた


自由詩 石を投げる少年 Copyright ぽえむ君 2007-05-18 22:48:13
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