秋刀魚 
服部 剛

帰り道を歩いていたら 

  ぽとん 

となにかが落ちたので 
ふりかえった地面には 
電池が一つ落ちていた 

( 塀越しの小窓から 
( 夕暮れの風に運ばれる 
( 焼魚の匂い 

骨の抜けたぼくは 
ふらついて 

  ぐぅ 

電池の入っていたあたりが 
鳴った 





自由詩 秋刀魚  Copyright 服部 剛 2007-05-18 01:46:47
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