マミー、マミー
美砂

眠る前、羽みたいな手がおりてくると
ぼくはそれだけでなにもかも忘れてしまう
今日はきてくれるかな

階段のしたから、食器を片づける音がきこえてくる
きてくれるかどうかは わからない
機嫌がよければいいけれど
疲れていたらだめだ

夜は寒い でも寒いって感じているうちは
まだ大丈夫
きてほしい、って一番思うとき、
淋しくて大声をあげそうになるとき、
眠気がすぐそばにあるんだ
ぼくはまだそれに負けたくない
だってそのあたたかさにのみこまれたら
あのやさしさにふれられないまま
今日が終わってしまうから


自由詩 マミー、マミー Copyright 美砂 2007-05-14 22:12:47
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