陽炎
蛇ノ宮

朝だ
頭蓋の奥に茜差し
朝露の
薔薇園の蔓が女主人を締め上げる
ぶちぶちと肌を刺す棘のわたし
油虫ほどの死を数えてましたわたし
華奢な皮袋の血肉詰のわたし
生まれる時には皮袋を破りました
ぶちぶちと破りました
死ね そこの母
父を貪り尽くして死ね
コルセットを刻印の数だけ締め上げて
はらわたがちょっと出ちゃいました
朝食は何になさいますか?


自由詩 陽炎 Copyright 蛇ノ宮 2007-05-13 00:19:14
notebook Home