ブレス
見崎 光

雨音は優しく
掌に溶けていく
頼りない指先を震わせながら
包み込む無機質を織っては
瞬間を紡いでいた


蒼が泣き
灯りの落ちたアスファルト
落ちた星星が還る頃
力なく映す街灯の柔らかさに
安心を浮かべている


窓に弾かれた五線譜は
音階の定まらない
気だるさを並べて流れた
零れたメロディが運ぶ熱
冷たいシーツを温めては
刹那に浮かんで
暁を招いた









自由詩 ブレス Copyright 見崎 光 2007-05-12 21:49:49
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