木漏れ日和
山中 烏流

フロントガラスに映る
木漏れ日をなぞって
睡眠体勢をとる
 
外に出てしまうと
少し、汗ばむ陽気だけれど
一つ隔てた世界では
丁度良い感じだから
 
 
上昇気流に乗って
飛ばされていく葉がある
 
私はいたずらな風に
スカートをめくられながら
それを眺めている
 
 
メールの返事なら
さっき、このいたずらっ子に乗せて
運ぶように頼んだから
 
心配は
しなくていいよ
きっと、大丈夫
 
 
 (電波ばかりでは)
 
 (身体に)
 (悪いかなって)
 
 (思って)
 
 
日陰に入ると
少し、肌寒くなるけれど
 
すぐ木漏れ日が
私を見付けてくれるから
決して
心配は要らない
 
 
すると
 
世界が余りにも
規則正しく揺れるから
睡魔が、そっと
目蓋に重りを付けてしまう
 
外では
まだ葉がダンスを続け
木漏れ日は優しく
誰かをまた
包み込んでいる
 
 
そして私は
それを眺めながら
 
眠りに、落ちて。


自由詩 木漏れ日和 Copyright 山中 烏流 2007-05-11 08:13:06
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