創書日和「風」
虹村 凌

重い体をずるずる引きずる
生ぬるい風がどろりと吹き抜けて
自分の中の何かがさらわれた気がした

もう疲れたよ
寂しいんだ
どこかに寄りかかりたい
もう埋もれてしまいたいよ

山積みになったやるべき事が
目の前で崩壊しそうな素振りも見せずに
上から嘲るように覗き込む
どろりと風が足を撫でる
またひとつ何かを無くした気がする

やわらかい匂いに包まれたいよ
ずっと横になったまま
何も考えないで凍り付いて
いたいっその事太陽さえ凍りついて砕け散って
その五分の間に眠りにつきたい

風が雲を飲み込む

あぁ
もうずいぶんと長い事こんな戯言繰り返してきたんだった
疲れたとかもうだめだとか
どうでもいいんだったそんな事

どろりとした風が太陽をさらけ出す

空に太陽がある限り愛しちゃっていいんだろうか
あっちにいったりこっちにいったり
風になれりゃ会いにいけんのにな
だりぃぜ


自由詩 創書日和「風」 Copyright 虹村 凌 2007-05-10 17:49:36
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