ななかまどの実は
北野つづみ

ななかまどの実は優しい
目覚めるにはまだ早いの、と
種を包んで眠らせる

外は雪、小鳥たちには信号
わたしはここよ
赤く光って合図する

ついばまれる実
やがて種は
生まれた場所を遠く離れて
目覚めの時を迎えるだろう

わたしたちには永遠に分からない
いま、かちりと音がして
ひとつの環が繋がった
ひとつの環を繋げた
その価値を
誰が真実、評価するのか


二〇〇七年二月二十日


自由詩 ななかまどの実は Copyright 北野つづみ 2007-05-08 07:33:24
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