「シエスタ」
ソティロ

「シエスタ」





ふたりでシエスタ
手をつないで眠る
肩が重なるくらい
寝息が前髪を揺らす、くらい


ぼくら同位置に同時存在できない
だからせめて、出来るだけ近くで


ふたりでシエスタ
同じタオルケットを共有しても
夢のなかでは別世界


ぼくは夢のなかで
現実のきみにはまだできないようなやり方を
いろいろと試みる
夢のきみは
恥じらいながらも
それを受け入れる
好奇心ゆえか


起きてみると
きみは
食後なのにフライドチキンを
たらふく食べる夢見たといって
笑って
ああもうそんなに暢気にしてたら
ぱりぱりに揚げて喰っちまうぞこら
でも午後は長いから夜にとっておく


ふたりでシエスタ
手をつないで眠る
ぼくら少年少女にもどって
草のうえで眠る
いや実際には部屋の中だけど
イメージとしては


きみが先に寝たので
きみの頬をつつく
おやゆびでなぞる
それはまだ
しっとりと潤っていたので
ぼくも安心して目を瞑る
包まれるように、ひかり


ふたりでシエスタ
手をつないで眠る
キスはしないでおく


そんな夢みて寝た。


自由詩 「シエスタ」 Copyright ソティロ 2007-05-08 02:57:34
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