序曲
海月

二度と交わらない運命を決めたのに
今更に揺らぐ心の奥底、君の言葉
傷付けずに愛し合えたらいいのに

お互いの希望を通すことは出来ず
どちらが諦めるしかなく
お互いに譲れぬ想いを持つ為に
どちらも収拾が着かず

言葉、声、形、触れぬ温もり
全てが凶器に変わり
安らぎの接吻さえもルージュに忍ばせた
甘き死の誘い

時を戻せられるならば
何処からやり直せばいいのだろう
だけど、結果は何も変わらず
最後は君を殺める事を考える

戸惑う心に終止符を打つ
忘れられないのならば
心の息の根を止めてしまいましょう

思い出の端に火を灯し
揺れ動く感情
安定を保つ為に
自分を痛めつける

百年の恋も冷める様に
僕らの情熱も冷めて
二人が紡いだ愛の唄は
二度と流れる事はない

擦れ違う影に虚しき願いが通り過ぎる
流れ星の様に叶わぬ願いを込める

夢の様な一時は泡沫
残るのは小さき波紋
波は静寂に傾く

君が葉を落とすならば
波紋は広がり
新たな序曲が走り出す



自由詩 序曲 Copyright 海月 2007-05-07 00:04:41
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