オシャレnaダンス
酸素の枷

漆黒の右手が伸びて
のど元を掴む


“踊りましょうよ”


ポップじゃない
ロックじゃない
クラシックじゃない
ダンスミュージックですらない

音楽が 掛け布団の様に迫る

右手はのど元を掴んだまま
誰も居ないホールの中央へと
リズム?に合わせて三回転

細い指の爪が血が滲む程
食い込んでいるが
酸素も吸える 苦しくはない

それよりも右手が可哀想だ
どうしてこんな色に?
背丈180cmの持ち主を見上げる

顔が見えない
天井を見上げ
シャンデリアから目を逸らさない

「どうしてこんな色に?」

音楽が変わる
シャンデリアから目を逸らさない


“オシャレ”


音楽が目まぐるしく変わる
シャンデリアから目を逸らさない


“誰に見せる訳でもなく”


音楽がメロディーを失う
シャンデリアから目を逸らさない


“オシャレするのも憎いのよ”


掛け布団が取り払われる
シャンデリアが揺れる
大きく揺れる

迫る 迫る 距離を縮める
物語りも急転直下


「“ゴメン・・ありがとう・・・”」

ガッシャ〜ん


自由詩 オシャレnaダンス Copyright 酸素の枷 2007-05-03 21:37:19
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