祝い酒
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冷たい樫のテーブル
両腕で抱いた中心

テキーラのグラスに柘榴の血を
集めて完成する生

お前の誕生日がいつなのか
知らないけれど 知らないまま
祝わせてもらう事にする


ブルドッグが雨に濡れて散歩する
窓の流れとグラスを合わせる

今、お前がどこかで生きている事で
俺は今日を助けられて生きた

お前の声を知らない
お前の涙も見えない
そもそもお前は実在するのか?
今の俺には分らない

分らないが 分らないまま
グラスを真っ赤な酒で満たした
それが絆だと信じたい


どこかの街は爆弾が降るという
この優しい春はそれを泣くのか

サイレンも間伸びするしかないくらい
五月の雨は ただ温かい

お前の生死を確かめる
術はないが 術ないまま
信じ、祝わせてもらう

お前は、お前の夢の中で
この五月雨を受けろ






自由詩 祝い酒 Copyright soft_machine 2007-05-02 02:04:59
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