陽が沈むころ
錯春

よく覚えていないが
知り合いの知り合いが盲いたそうだ

その機には親族が集い
里芋や菊の花を毟ったものを
軽々しくさっくりと揚げた

盲いた知り合いは油モノは苦手だったが
その日だけは舌鼓を打った
喰いしばった歯で
ざっくりと噛みしめた

油が滲みていった
体中の喰いしばった
乾いた性器もあますことなく

火が静むころには
さっくりと大人しくなって
白々しい 白々しい


自由詩 陽が沈むころ Copyright 錯春 2007-04-30 23:40:22
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