夕方の空
山中 烏流

とっぷりと
暮れた空の中で
赤に染まりたいと願う
 
透明な私を
あの赤で彩ったら
なんて、なんて素敵なんだろう
と思う
 
 
折角なら
あの黒い鳥にも
絵の具になって欲しい
 
ワンポイントで
動きまわる黒子、というのも
なかなか悪くない
悪くない
 
 
でも
少し、邪魔かなぁ
 
 
そうして
赤に染まることができたら
私はもう
透明ではなくなって
 
色を持つヒトとして
世界に
溶け込むことが、できる
 
あの
赤になれたら
 
 
(無い物ねだり、)
 
 
透明だって
色、なのだけど
 
それでも。
 
それでも。


自由詩 夕方の空 Copyright 山中 烏流 2007-04-29 10:14:02
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