偶成オムニバス
零椅



空から見下ろされている
雲が駆け足で過ぎ去った

*

退屈な言葉は
左から右へと通過する

*

時計の針が動く瞬間
ひっそりと笑みを浮かべた

*

裏切られた気分は空に伝染
猫の声とのハーモニー

*

窓に映る姿を見るだけ
寝過ごしてくれないかな

*

送り主が空欄の宅配便
ハンコを押さずに消え去った




土から生える手と握手して
こみ上げる冷たさを取り込んでいく

あ、爪がきれいだ


自由詩 偶成オムニバス Copyright 零椅 2007-04-28 23:59:36
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