物の怪館
草野大悟

この種の館には
白い服来た笑顔モドキや
大丈夫ですかあ〜の聴診器や
青筋立てて服従を強いる面背服従やらが
糞と小便の匂いの中に生息している。

その物の怪たちは
なにをどう勘違いしてるんだか
自分ではほとんど動けない人間を
物扱いにするのは当然と
館の掟さながらに信じ抜き
俺が少しでも油断すると
足に青あざは作るは
目やには付けたままにしてるは
口元にメシの汚れは付けっぱなしにしてるはで
ただでさえざらついている心を
平気で逆撫でして
それさえ気づかないでいる。








自由詩 物の怪館 Copyright 草野大悟 2007-04-28 18:04:31
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