トランポリン
あおば

            2003/07/09


郊外電車の
つりかわが
ぶらぶらと
ぶらさがる

丸い土俵に
手を下ろし
はっけよい
相撲力士は
たちあがる

よいとまけの
うたをうたう

霜柱が崩れる

ほうほうと歩く

子どもを捕らえ
木の根に縛り付け
カラスの餌にする

朝餉の間なのに
一泊8000円
聖徳太子の1万円札で
2千円の光源氏が余る
高くないの声に
ニタリとして
叩き込まれて
四つん這い
バタバタで
ガタガタと
運ばれた
下仁田の
労働組合員

終端線路の
反射を防ぐ
SCSI端子の
ターミネーター
のように
端末から外れた
きかん坊の
凸型の
電気機関車で
ガシャガシャと
貨車を引っ張り
田んぼの中でも
四つん這い

田の草を取る
トランポリンの
金メダリストは
二十歳になっても
とらん
ぽりん

泥だらけ

円い土俵で
泣きじゃくる 



自由詩 トランポリン Copyright あおば 2007-04-28 00:28:10
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