木漏れ日隠れ
AB(なかほど)

 
耕す
土の中にも幾千もの命
ちぎれても生き抜くものもあれば
七年ののちの七夜の花で
ついのなりわいをとげるものもあり
それを耕す
おかに生きるものよりも
海に生きるものが多いとか
わずかの影に逃げおおせれば
これ幸いと
我らの命の源は全て太陽より得たり
とはいえ
その律動は月に
その喜びは月に
その安堵は
しとりとする土くれの中へ
すまぬ
全ては同じ命とはいえ
今日も耕す
ただ己の愛するもののために
耕す
そんな奴にさえも
木漏れ日はやさしい
影は
もっとやさしい



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自由詩 木漏れ日隠れ Copyright AB(なかほど) 2007-04-25 23:52:59
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