朝の風景
士狼(銀)

網膜に映っていても見えていないそんなものは幾らでもある


見えなくて不安になっても本当は手放したくないものもあるから

早朝に裸眼のままで散歩する。眼鏡はどっかの鴉にあげた




母親は屠殺場へと連れて行く。腹の子供は置いて行けよと


幼子の肺には母の羊水が残って咳きこむ
それが切ない


天秤になれないけれどお前ほど可愛い三本脚はいないよ



毛を刈られ夏仕様の羊たち
牛舎の前をとことこ歩く



短歌 朝の風景 Copyright 士狼(銀) 2007-04-24 18:00:36
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