さびしさについて
soft_machine

コーラやガンジャが
ふみ潰されたコンクリートの上で
カーテン越しの光も
橙になってはだか

コニャックの上等も
空になっちまえば
抱かれ果てた
おんなの腰の辺りみたいだ

そう、あの日貴方が言った
ポーズぶち壊しだろ
描きかけのデッサン
ひまわりは寄り添って待っている
旅はしばらくおあずけ
水だけ足して
触れるだけ

小径にならべて叩いた
空き瓶を逆さに振るって
しずく舐めたら
川風も吹きはじめ
冷たくなった
神々と花束に見つめられて
悪い気分じゃあないよ
目覚めても奏できらぬ午後から
夕陽に染まるまで首のメディチが
悦びと快楽の墓所を
懐かしむまなざし

北むきに黒びかりする革椅子の
もう、貴方の姿は見つからない
映し鏡の中にも
あかるい音色は
経った日をいつも
きっといつまでも
導くように

あの日と
同じ風鈴が
同じ軒先で
回っている






自由詩 さびしさについて Copyright soft_machine 2007-04-23 20:07:43
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