それでも
1486 106

-episode?-
失敗ばかりでいつしか後輩にも先を越されて
二十年勤めた会社にも見捨てられた
明日からは一日の食事さえままにならない
ブランコに揺れながら涙を堪えた
未来が見えなくても居場所が無くても
それでも…

-episode?-
二度目の受験も思い描いた結果と結びつかず
期待に応えられない自分が情けなかった
明日からはまた苦しい日々の繰り返し
悔しくて壁を叩いたら涙が零れた
こんな自分に何が出来るだろう
夢が叶う保証なんて何処にも無い
それでも…

-episode?-
横殴りの雨に撃たれてもギターを奏でる指だけは止めたくなかった
止まないなら雨の中で歌い続けるだけだ
世界を変えようなんて薄っぺらい幻想は抱いていない
この声が届くかどうかもわからない
それでも…

悲しくても辛くても馬鹿にされても血を流しても
ぼろぼろになっても人は生きる

-episode?-
夜明けの光は見えてこないけど
暗闇の中を手探りで進んでゆく
何処に辿り付くかは分からない
もう二度と後には戻れないかもしれない
それでも…


自由詩 それでも Copyright 1486 106 2007-04-21 12:49:31
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