巡りくる月。
鯨 勇魚



くらげが空をおよぐ
季節の弱気なおやすみに
動けなくなるようで
うみ星は腫れ上がる


あれは、びっくばん、というんだ。
という夢をみてしまうと
うまれてしまいました
あたしだれもしらない。
どこなのですか?
まっくらっくらっ。
くらがりきらい。


手鏡にくらげを取り込んで
つまんでみたり
齧りついたなら
ぐにゃり

していそうなの

しゃりん


あたし、もしかして、ふろーずん!


って声にだしてしまう
ばいばいって
くらげおちる
おちる半熟たまごの白身
突き破り
黄身に指先突き刺す触感


あはは。きもちいいな。
うまれちゃうんだよ。
しんじゃうんだよ。
いきていたんだよ。


掌のせて大切すぎて
にぎりしめるから
さよならは
おやすみに似てるの


ねえ。
うみねこ。と、
かもめ。の、
ちがいわかるかい?
おしえてあげる。


にゃあ。ってなくのが、うみねこ。
わからないなら、よくみてよ。
かおが、ねこ!!
くわえた。くらげ。
にあー、わんだほー!


あ、あー。たいせつな、
ぴ、ぴ、ぴあにか、
まうすぴーす。
なくしました。


砂浜にくらげが打ち上げられ
次の夜には
ひからびて
おやすみなさい
なのですか


鏡をふわふわ割るよ。
夢の中なか、夏にさみし。


かなかな。かな。かなかな。


お盆休みもおわりです
降りゃりん
風鈴はずしましょうね


かぜ
吹くかぜ
びっくばん
のよいん
秋に飽きたら


あ、あたし。


あたし、あたしたち、あたしたち。
ねぇ。ほら。るっくるっく!!
ふろーずん。でしょ?


ぎゃあぎゃあ降りが
おとなしくしてる
ふりをしながら眠っちゃう
冬にくらげは
何していましょう
春になれば
畑から触手を一本
また
すてき
冬眠してるのですね


土くらげが花咲かす
さらりんと勢いよく


うまれた。びっくばんだよ。
でも、はなと、くきと、
ねっこと、たね。って、
みとこんどりあ。
うふふっ。て、いいたいの。
わんだほー!!
いとこん、どりあ。
すてきなくらげ。


種と
しゃぼん
浮遊している
ほらまた季節きせつ


くらげが空をおよぐ
季節の弱気なおやすみに
うごけなくなるようで
うみ星が腫れ上がり


あれは、びっくばん、というんだ。


白黒鍵盤
ふらっと
しながら
あたし
しゃーぷ
だったり
するのだろうか


こきゅうしないと、
ならないよ。


おやすみ、おばけ。


自由詩 巡りくる月。 Copyright 鯨 勇魚 2007-04-21 11:20:09
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