空虚の中で
茉莉香

彼を失ってから
寂しさという言葉と戦いました
戦い疲れ果てたとき
私は空虚という名の亡霊に憑かれました
色とりどりの花は
私の前では何も意味をなさず
美しく奏でる音は
騒々しいものでしかなく
荒んでいく自分の心も
諦めのため
少しずつ少しずつ
何もなくなっていったのです

外へ出ました
この季節にしては寒くて
凍えるような冷たい雨は
私をうちました

家に帰ると
留守電には彼からの
メッセージが入っていました

空虚なこの心に
言葉が空回りします

私は
何を求めているのでしょう
その 答えはもう
心の中から 消えてしまっている
それが
ちょっぴり 悲しいという
言葉を 思い起こさせます



自由詩 空虚の中で Copyright 茉莉香 2007-04-18 21:15:04
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