空虚
MSK

ああ
気づいた
見つけてしまった

しあわせ、という奴を

そう、それは
いまここで
モニターを眺めながら
誰かのうたを読むことや
キーボードに指を踊らせること
ふと振り返って愛しい子供の顔を見ることや
目をつむって懐かしい日々を思い出すこと
そして 呼吸を くりかえすこと

私たちが追い求めていたはずのしあわせって奴は
こんなに近くで どうだ、灯台下暗しだろうとふんぞり返ってえばっていた

けれどなんだか 不安になった
こいつをさがして生きてきたものだから
もう生きる意味が見つからない

私はその生意気なしあわせを「当たり前」と名づけて
見つかるはずのない「本当のしあわせ」って奴をさがしている


自由詩 空虚 Copyright MSK 2007-04-18 03:17:15
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