春の角砂糖
ぽえむ君

レモンティーの中に入れた角砂糖が
スプーンでかき回すことなく
ゆっくりと溶けてゆけば
それはもうすでに春です
紅色の中でもやを出して
やがてその中にうちとけ合い
春がしっかりと出来上がるのです
そのまま一口二口
だんだん春が濃くなって
やがて夏のレモンへと
受け継いでゆくのです
カップの中には今
春が満ち溢れています
少し離れていても
春の香りは部屋いっぱいに
広がってゆきます
春の角砂糖は
今がちょうどよい頃です


自由詩 春の角砂糖 Copyright ぽえむ君 2007-04-16 22:23:45
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