四月の雨
海月

憂鬱な日程に会えない君の事を考える
私の手が届かない所で何をしているのだろう
君の至福を少なからず、嫉妬している

窓の外は優しい四月の雨が朝から降り続いている
桜は雨風を浴びて緩やかに舞い散り
儚い愛の最後を教えてくれる
地面に着く、その一瞬だけは視線を逸らした

君は甘い言葉を囁く事はなく
いつも微笑み口づけを交わすだけ
時が止まった様に何もかも静止している
そして、瞼を閉じた

私は君に形のないものを求めすぎていた

今となり気づく
愛や温もりや心や思い出や・・・
後になれば自分を傷付けるものばかり
薄汚れた桜の花びらのように
美しい姿も何れは老いていく
いつまでも現状を維持出来る訳ではない

私と君と君の新しい恋人
私の重圧に耐え切れずに別れ話を持ち掛けられ
断らずに感謝の意味を込めて別れた
どうか、幸せに・・・

心に描く、未来予想図

嘘の優しさを君に
嘘の温もりを君に
別れの口づけえを君に
儚い時を視線を剃らずに見られた

愛の終わりに新しい愛が動き始める
いつしか、四月の雨は止み
いつしか、桜は葉桜になっていた



自由詩 四月の雨 Copyright 海月 2007-04-16 00:27:54
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