四月の雨
海月
憂鬱な日程に会えない君の事を考える
私の手が届かない所で何をしているのだろう
君の至福を少なからず、嫉妬している
窓の外は優しい四月の雨が朝から降り続いている
桜は雨風を浴びて緩やかに舞い散り
儚い愛の最後を教えてくれる
地面に着く、その一瞬だけは視線を逸らした
君は甘い言葉を囁く事はなく
いつも微笑み口づけを交わすだけ
時が止まった様に何もかも静止している
そして、瞼を閉じた
私は君に形のないものを求めすぎていた
と
今となり気づく
愛や温もりや心や思い出や・・・
後になれば自分を傷付けるものばかり
薄汚れた桜の花びらのように
美しい姿も何れは老いていく
いつまでも現状を維持出来る訳ではない
私と君と君の新しい恋人
私の重圧に耐え切れずに別れ話を持ち掛けられ
断らずに感謝の意味を込めて別れた
どうか、幸せに・・・
心に描く、未来予想図
嘘の優しさを君に
嘘の温もりを君に
別れの口づけえを君に
儚い時を視線を剃らずに見られた
愛の終わりに新しい愛が動き始める
いつしか、四月の雨は止み
いつしか、桜は葉桜になっていた