屋根裏
猫のひたい撫でるたま子

王様が寝ている

裸だが裸の王様ではない

セックスを営むのに言葉は必要ではない

いく、終える、ゆく

全ての進行は言葉でなく手のひらの感触で記す

静かなセックス
言葉のないセックス

興奮はしない、ただ営むのみのこと

体が反応して、腰が必要に駆られて動く

言葉は装飾

恋愛は装飾だらけである

言葉のないセックスは冷静であり、感情など必要ではないのである

生産するセックスとはまた別なので、お互いの気持ちではなく気持ち良いが大切
なのである

男女が布団に寝ており、2人きりで布団に入るのであるから肌が触れ合わない方
が不思議なことなのである

雨がふる
ただ白い布団をかけて眠る

セックスに思考は必要ない

思考を表すのが言葉だから言葉も結局必要ではない

セックスを終えないで眠るというのは男性にとってどういうことなのだろう?

生殖でないので、出すことは必要でなく、いかないことも不自然ではない

いくことが全ての終わりだというのが、勘違いなのだ

いかない

私もいかない

静かに始まり、熱を帯びて、優しい手のひらで撫でられて終わる

精子を拭いたり、うるさいシャワーの音を聞いたり、煙草をすぐに吸わないよう
にするとか、目を合わせて気を使ったりしなくていい

セックスは頑張るものでもないのだから


散文(批評随筆小説等) 屋根裏 Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2007-04-14 03:55:50
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