黄昏
ロカニクス

昨今は上手に生きてます
花の咲かし方も覚えたし
友達もたくさんできました
君の傍にいる時間も増えました

気になることといえば
ずっと瞼裏に黄昏が広がってることなんですが
その下に見知らぬ赤い煉瓦の家が
ぽつんと一軒あることぐらいなんですが

昔は随分我侭で寂しがりやだったもんです
結局今もそうですけど
もう無闇に森羅万象を振り回さなくなりました
振り回されることもなくなりました

そんな相互関係と離れすぎるようになってから
代わりに黄昏がくっついてきました
麻痺しただけよ、と君は微笑みますが
その主語の無いシンプルな答えを

黄昏ごと一心に抱き締めてしまいたい
そして抱き締めたどこかに君がいればいいと切に願う
その願望だけが何かを
一生懸命振り回している気がするのです





自由詩 黄昏 Copyright ロカニクス 2007-04-13 17:58:20
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