飛行船四号
霜天

まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも

届きたくなる


白い犬が走っていく
真夏よりも一歩引いた場所
誰も呼吸を間違えるから
ほんの少しだけ、許しあえるような

砂に埋もれた、この街の頭上を
まるい飛行船は四つの呼吸を履き替えながら
黄色や青に染まる僕らを越えて
どこへ行くの、と
問いかけている


いつも、いつもの景色の先に
届きたくなる
まあるくまるい四番目の、空


自由詩 飛行船四号 Copyright 霜天 2007-04-12 01:13:24
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