微吟(九)
信天翁

         疎くなった耳もとへ
     北風の夜遊びを密告してくる
      小窓のサッシがカタコトと

     使いふるした電気スタンドも
      首をかしげてのぞいてくる
枕元で開いた文庫本の詩集をジロジロと

    たるみかけたまぶたにむかって
   眠気に抵抗しろとささやいてくる
      尊厳な四次元がシンシンと


自由詩 微吟(九) Copyright 信天翁 2007-04-11 21:59:39
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