ドクロ
チグトセ

ドクロとか、
目の前に浮かんでいて。

しかもそれは闇の中なのに、
淡く発光していて。

骨、光るわけないじゃん
光源はどこなの?

しかもそいつ、
喋り出して。

死者が語るわけないじゃん
どういう了見なの?


それなのに
ああ、私たち
気が合っちゃって
確か趣味が一緒とかで
意気投合しちゃって

話したね

何話したっけ?
あんま憶えてない

でもたくさん話した

ビールを飲もうと思ったけれど
あいにくなかったし
あいつは遠慮した
だから別にいっか、と思った

何か、私の中には
決然とした意志
みたいなものがあったような気がするけど
それは、忘れた
だから別にいっか、と思った

私たち
生きてく世界が相容れなくて
どうにも解り合えなかったけど

なんにせよ
別れは辛いよね


自由詩 ドクロ Copyright チグトセ 2007-04-03 12:40:22
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