ぼくの明日への道
壺内モモ子

「明日へと向かって、前へと歩こう」
って、きみがいうから、
ぼくもついていくことにした。

きみは
ずんずんずんずん進んでいって
だんだん見えなくなっていった。
きみとぼくは
はぐれてしまった。

ぼくは
通りすがりのおばさんと会話したり
めずらしい花を見つけて写真に収めたり
ベンチに座って休憩したり
ときどき、歩いた道を引き返したり
そんな風にフラフラ歩いているから、なかなか前に進まない。

気がついたら、夜になって
僕の頭上には、たくさんの星が輝いていた。
あまりにもきれいで
朝がくるまで
ずっとずっと眺めていた。
今日
見たこと、感じたこと
これから先もずっと大切にしていきたい。

 いつの瞬間からか、
 今日は昨日になり
 明日は今日になる。
 今日は幼かった自分の未来。
 今日は未来の自分の過去。

朝になった。
こんなぼくのところにも、朝がやってきた。
きみは、どんな朝を迎えているだろうか。
きみとぼくは、はぐれてしまったけど、
お互い、どんな未来を迎えるのだろうか。

今日もぼくは、
明日へと向かって、のんびり歩いた。
あっという間に一日が過ぎた。
きみとぼくは、明日に向かっているけれど
明日が、ぼくを追いかけているのかもしれない。
きみは、明日に追いかけられているのかもしれない。
だれにだって、明日はやってくる。


自由詩 ぼくの明日への道 Copyright 壺内モモ子 2007-04-03 03:49:24
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