噛みつく童話
あおば



             2007/04/02


椎の木林のすぐ傍に
小さな小山がありまして
小さな杉の子育ってた
育って育って大きくなって
美しい御国のためになりますと
お日様起きるその前に
手足を拡げて
目を覚ます

すくすく育った杉の木は
小さな小山をあとにして
私の住む街にやってきて
大きな建物建て増した
梁の檜は迷惑顔で白い顔
白い肌を黒くして
貫禄見せつけ出自を誇る

小さな小山に残された
大きな杉の子供たち
父さん負けるな頑張って
僕らも加勢に駆けつける
花粉を沢山拵えて
加勢に向かうその日まで
どんなに辛く苦しくも
我慢して待っていて下さいと
お日様仰いで手足を伸ばす
美しい国の物語り
いつまでも
残業続きの今月も
元気いっぱい
語ります

桜の花の散る夜に








自由詩 噛みつく童話 Copyright あおば 2007-04-02 01:40:08
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