蝶子

桜はあきないのだろうか

雪が溶ければ 蕾をふくらませ
陽が高く昇れば 花びらを脱ぎ散り
銀杏が黄金に染まれば そのおすそわけを頂戴し
人間がせわしなく動き始めると ペースを合わせて葉を手放していく

あきないのだろうか
この美しい単調に
この疑いの由もない繰り返しに
一度たりとも思わないのだろうか
こんなことをして何になるのか、と

私なら思ってしまう
ああ、そうか
だから私は人間なんだ
だから私は人間になってしまったんだ


自由詩Copyright 蝶子 2007-04-01 22:25:48
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