桜道
なかがわひろか
一人ぼっち寂しそうね
そう言って目を細めた
こんなにもきれいな夕日だけど
太陽の本音を君は知っている
柔らかな暖かな
風が撫でる君の赤い頬
夕日を映した様に
それはとても可愛らしくて
太陽が寂しくて死んでしまっても
君がいればいいと思うんだ
だけど君が一人ぼっちになって
寂しくなってしまうのは嫌だよ
冬が力尽き
春がそれを救う季節
ふとつぶやく君はきれい
きっと寂しくなんかないよ
君の瞳に見つめられるから
きっと太陽はそれだけで
あんなにも照れているんだ
桜の蕾が
春を証し付ける
納得行かない君の顔は
見ないことにするよ
(「桜道」)