桜道
なかがわひろか

一人ぼっち寂しそうね
そう言って目を細めた
こんなにもきれいな夕日だけど
太陽の本音を君は知っている

柔らかな暖かな
風が撫でる君の赤い頬
夕日を映した様に
それはとても可愛らしくて

太陽が寂しくて死んでしまっても
君がいればいいと思うんだ
だけど君が一人ぼっちになって
寂しくなってしまうのは嫌だよ

冬が力尽き
春がそれを救う季節
ふとつぶやく君はきれい

きっと寂しくなんかないよ
君の瞳に見つめられるから
きっと太陽はそれだけで
あんなにも照れているんだ

桜の蕾が
春を証し付ける
納得行かない君の顔は
見ないことにするよ

(「桜道」)


自由詩 桜道 Copyright なかがわひろか 2007-03-31 02:13:11
notebook Home