朝露
千波 一也
風のゆくえに
はぐれたのなら
含ませ過ぎた胸に手を
どうでもいいと言い捨てるには
あまりに一途な
朝です、
誰も
いつの日も
気がつくためには
やわらかく、
ひかりをあまして
散りゆきそうに、
そこで、
はじめて、
生まれるはずです、
かわらない名も
無数の風も
乗り継ぐ支度を整えるまで
ゆっくり夢は待ちません
つづき、と口にするなぞりを
やさしく乗せて
流れゆきます、
横顔たち
は
自然のちからが砕くかたちを
置くだけで、いいのです
ねむりを終える
その間際でも
うつくしい欠片に
傷つき慣れているのなら
探さず、
探して、
残りのまま、に