五里霧中
はじめ
冷や冷やとする冷たく濃密な乳白色の霧が辺りに立ち込めている
雲と同化している為僕は逃げ場を失った気分だ
吸う空気が水蒸気化して咳き込む
この霧は何処まで続いているんだろう?
兄貴達は無事だろうか… 一番下っぱの僕は二人の兄貴達とある場所で待ち合わせしている
僕達は宝石泥棒をやったのだ
宝石店を襲って 僕が袋にパンパンに詰めた宝石を担いで 他の二人の兄貴達は警察の目を引き付ける為に僕と二手に分かれたのだ
そしてこのフィーテルの森の奥のある場所で合流する計画だったのだ
上手く都会の外れのフィーテルの森へ先へ逃げ込んだのだが さんざんリハーサルをやったにも関わらずこの霧のせいで道が分からなくなってしまったのだ 最悪なことに僕はここの地図を落としてしまい 余計頭がこんがらがってしまったのだ
掻き分けても掻き分けても消えない濃密な霧の中を 慎重に歩を進めながら進んでいく
すると突然 足を滑らせて 急な坂をゴロゴロと転がっていき 大木に脇腹と腹を打って僕は止まった
大木とぶつかった衝撃でパンパンの袋の中身がどばーっと溢れ出して宝石やネックレス 宝石を施した指輪やブレスレットが飛び出した 僕はこの光景に見とれていて脇腹と腹に激痛が走るとはっとなって必死に宝石達を掻き集めだした
全ての盗難品を集め終わると時計を見て集合時間がもうとっくに過ぎていることに気付くと頭が真っ白になってがむしゃらになって感に任せて走り出した
気が付くと僕は霧を抜けていた そこは広場みたいなところで中心に巨大な岩が幾つも積み重なられていた そう ここが兄貴達との集合場所だ
約束の時間はとっくに過ぎていた 兄貴達はまだ到着していないのでは? と思った 徐に岩まで近づいていくと 突然サイレンが鳴り 「動くな!!」と怒号が広場に響いた木々の間から猫の警察官達が出てきて広場をぐるっと囲み徐々に僕との距離を縮めていった
僕はどうすることもできなかった ボロボロの袋を落とし 両手を挙げて降参です!! と白旗を振った
僕は猫の警察官達に連行される時に手錠をかけられてしょんぼりしている豚の兄貴達が見えた 僕は霧に覆われているフィーテルの森の空に向けてブヒー!!(勘弁してくれー!!) と甲高く烏のように鳴いた
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四文字熟語ハラハラドキドキ!! 3人(匹?)の盗賊団!!