午前3時07分
紫苑

ただ ゆるりゆるりと流れる中で
時計の針しか停められなかった僕の手が
次に停めたのは
貴方の積み木を積む事と
紙飛行機を飛ばす事でした

僕の部屋は床が見えないくらいにそれらがありますが
片付けをしたくない僕は
部屋のドアがノックされる度に
居留守を使って窓から散歩
出来の良い紙飛行機が
とんでもなく遠くへ逝ったので
積みかけで終わってしまった貴方の積み木に
少々せこい耐震強度を施して
捜しに行かねばなりません

ポケットに飛行機用の紙を詰めて
護身用に積むはずだった積み木を握って
僕は暗くなるまで捜します
3日捜して見つからなかったら
元のより劣る飛行機を折って
代わりにするのです
もう飛ばされることの無い飛行機は
また僕の部屋を埋めていきます

停めたかったノックの音は
今日もまた音を大きくしてやって来ました
いつかは掃除機を持ってくるのでしょう
僕の手ではそれは停められなくて
停まってしまった日課ばかりに
無駄に力を入れるのです

ノックひとつ停める事が
日課ひとつ続けることが
流れの中で停まっている事がこんなにも難しいのだと
何でも教えてくれる貴方は
少しも話してくれませんでした



自由詩 午前3時07分 Copyright 紫苑 2007-03-27 18:28:36
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