情景
わら

このいっしゅん、いっしゅんが、

かけがえのないものだってことは 
知っている




ぼくたちが、離ればなれに
別れていくことは 
知っている



何気なく過ぎていくようでもね

だれも、
そんなことには、
気もくれていないようだけどね


いま、こうして、
ともに、いられることは、

かけがえのないことなんだ






1年、2年、

もう、
それくらいの季節のことなんだ。



今、こうして、
接していられるのはね




きっと、すべては、様がわりする






ぼくのあたまの中の時計は 
すこし、
ゆっくりと流れていて、

なぜか、とおくから、
今をながめている




すこし、かなしくなるんだけどね

なんか、
そうなんだ



だから、すこし、さみしがり屋でね


笑いとばした夜でさえ、

ひとり、静かな机の前でさえ、

失っていくことを 
悟っているんだ






諸行無常と 人は言う・・・


このままでは 
いられない


かけがえのないものを
なくしてく



そんなふうに、感じてしまうんだよ


なんでもない 
日々なのに








あたまの中のカラクリが、
ぼくのは、すこし、ゆがんでてね


なんでもない ひとときでもね


ふと、気づけば、


かなしいほどに いとおしくて、

かなしいほどに さびしくて、




そして、いつか、おとずれる日、

みんなが気づいたころにはね

もう、冷めた背中を 
むけているかもしれない。



そして、
別れ、歩き去った後にだろう・・・


やっぱり、どうしようもなく、いとおしくて、

涙がこぼれるんだ


もう、だれもいない、
空を見上げて





















自由詩 情景 Copyright わら 2007-03-26 13:32:58
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