沈黙
ふるる

       
      と君は
     言いかけて
    黙ってしまった
   桜の花びらが散って
  一枚が肩に落ちたんだね
  手に取って真近に見たら
  とても薄くて白くて縁が
   紅色でごく細い血管
    のようなすじが
     幾本もあり 
      それが
       

       
      それを
     言いかけて
    やめてしまった
   君が言いたいことは
  確かにそのことだけれど
  綺麗という言葉なんかで
  決して表せないと分かり
   君は花びらを手放し
    言葉を手放して
     晴れ晴れと
      沈黙を
       
   


自由詩 沈黙 Copyright ふるる 2007-03-24 15:23:38
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