「 桜 」 
服部 剛

その人の瞳の内に 
永久の春が在り
遥かな昔から
桜の木が立っている 

冬の冷気を越え 
降りそそぐ春の日射し 
今にも開こうとする無数の蕾に 
こころはきしむ 

日々の重い足取りにうつむきながら 
枝々にひとつ、ふたつ、と開き始める 
桜の花の唄に
耳をすます   

その人の瞳の内に
花々は満ち開き 
すべてを散らし 
風に舞う
桜の流れ  
春を奏でる 











自由詩 「 桜 」  Copyright 服部 剛 2007-03-23 12:00:24
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