なみだが
山中 烏流

ぽろぽろ、と
止まらなひのです
 
(それはあたかも)
 
言葉が
止まらないかのように
 
 
緩く
 
柔らかに
 
止まらなひのです
 
 
昨日、最後の宇宙人は
この地球(せかい)に飽きて
 
夜空へと
飛んで行きました
翔んで、行きました
 
 
ぽろぽろ、と
止まらなひのです
 
(それはいつかの)
 
思い出が
崩れ落ちるかのように
 
 
酷く
 
ただ静かに
 
止まらなひのです
 
 
明日、最後の地球人は
この地球(せかい)を愛して
 
朝ぼらけに
溶けて行くそうです
融けて、行くそうです
 
 
ぽろぽろ、と
止まらなひのです
 
ただ、何かが
分からない何かが
止まらなひのです
 
 
 
ぽろぽろ、と
止まらなひのです


自由詩 なみだが Copyright 山中 烏流 2007-03-23 03:18:25
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