海月

電車の音が響く部屋の中
窓の下では人々が何処かに向かい歩く
出発か到着か解らない
または旅の途中かも知れない

夕焼けの寂しさを感じるのは
今日と云う日が満足に終えられなかったから
子供の頃は日曜日の夕暮れは悲しみと期待に溢れていた
明日になれば孤独に成らずにすむ

優しい言葉をいくつ並べても
何も変わらない場合もある
だけど
並べてなかったら
何か悪い方になる場合もある

二人三脚で相手がいない僕に君は声をかけてくれた
それから一緒に歩む事を決めた
どんな困難や絶望が目の前に立つ塞がったとしても
二人ならば分かち合える
どんな至福や希望も二倍に受けて止められる

静かに君は僕の元を離れて行く
二人を繋ぐ糸は解れて解けて行く
何度も紡げるものじゃないと知る

いつか親元を離れる鳥の様に
君は僕の元から飛び立った
綺麗に揃った翼を広げて
空を少しだけ旋回して
僕の目の前から姿を消した

カーテンの隙間から朝陽が零れて
何も知る事のない今日が始まる
もしかしたらと心の奥底で望み
そして、今日も君を探す

そんな旅が始まる


自由詩Copyright 海月 2007-03-22 00:03:03
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