隣りのゆうこりん
ひろっち
梶谷さんは、隣りのゆうこりんが大好きらしい。
大好きだから、チャンスがあれば付き合いたいらしい。 羨ましがられたいらしい。
梶谷さんは、独身らしい。 四十路手前でピンホール程度の穴をいつまでも狙っているから童貞のままらしい。 童貞のままとはいえ、プロとは互角にやり合うらしい。
具体的には素人童貞らしい。 淋しいらしい。
ゆうこりんは、夜はコリン星(中洲川端)で働いているらしい。
二十歳らしい。 裏表も激しいらしい。
それが派遣の品格であるらしい。
梶谷さんは、マットプレイが大好きらしい。
だから、ゆうこりんのマットプレイを想像しながら、ソープでのマットプレイに浸っているらしい。
ソープ嬢あきこは、梶谷さんの仮性包茎の伸びた先端を眺め、明日の運気を探っているらしい。
だから、通い詰めて欲しいらしい。
梶谷さんはお金に困っているらしい。
ゆこりんは、派遣のくせに仕事ができないらしい。
ワードとエクセルが使えないらしい。 つまり、使えないらしい。
お茶汲みは受け付けないらしい。
手の抜き方が尋常ではないらしい。
それでも仕事が続けられるのは、百万ドルの笑顔があるからだと本人は言ってるらしいが、実は予想通り、みんなを兄弟にしているからだと後で聞いた。 そんな体だと聞いた。
梶谷さんは、見た目NGだから、その輪には入れないらしい。
輪には入れずとも、結婚できれば御の字だと無意味なことを言ってるらしい。
結婚したいらしい。 三十路から結婚願望が芽生えたらしい。
でも、ヨカニセではない梶谷さんに運は味方しなかったらしい。
ペットの猫にも逃げられたらしい。
変な印鑑、買わされたらしい。
後輩に、仕事でおいしいとこ持って行かれたらしい。
梶谷さんは、結婚したいらしい。
でも、強姦までしてものにしようとは考えていないらしい。
淋しいらしい。
昨日、交通事故で死んだらしい。