孤独
佐山鈴音

お腹を壊してしまった
深い夜の谷底で
誰もが一人きり

カーテン越しに光を放つ
あれは確か電灯だ
冷気が身を纏っても
焼け付く陽光が注いでも
その場所から逃げられず

私だけではないのだ
私だけ一人ではないのだ


消化不良のままでも
電気が切れても
浮かぶ月は見ている
太陽は、空は見ている
闇は、見ている


お腹の痛みは生きている証カーテンの外に広がる闇は隠したままの孤独


月よりも太陽よりも遠い
輝いた季節

明けない夜の真ん中でお腹を壊してしまった


私はワタシ。
あなたはアナタ。

消化不良のままの願い


自由詩 孤独 Copyright 佐山鈴音 2007-03-19 12:16:08
notebook Home 戻る