こぼす
水町綜助
今日という日が重いのは
明日が軽くそれは人差し指に引っ掛けられるほどだから
今日という日が重いので
僕は日向にしゃがんでそこに唾を吐く
少しでも削れればいい
冷たい空気の中でも
太陽は頭の上を動く
ゆっくりとたしかに
ず、と石を動かすように
空を擦り動いている
それを眺めることをしない
車は相変わらず路上を行く
何台も何台も行き交うようで
本当は五台くらいが往復している
または僕を円に孕んでぐるぐると回っている
という空想
それを眺めることをしない
口開き
つぶやき
道の上にぽつり