こぼす
水町綜助

今日という日が重いのは
明日が軽くそれは人差し指に引っ掛けられるほどだから

今日という日が重いので
僕は日向にしゃがんでそこに唾を吐く
少しでも削れればいい

冷たい空気の中でも
太陽は頭の上を動く
ゆっくりとたしかに
ず、と石を動かすように
空を擦り動いている

それを眺めることをしない

車は相変わらず路上を行く
何台も何台も行き交うようで
本当は五台くらいが往復している
または僕を円に孕んでぐるぐると回っている
という空想

それを眺めることをしない

口開き
つぶやき

道の上にぽつり




自由詩 こぼす Copyright 水町綜助 2007-03-19 10:31:00
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