失物
スプートニク

僕もポイと 捨てられるのかな
君が次々と 失くしてゆく手袋や
指輪みたいに

捨てるんじゃないよ
逃げてゆくの
大切にしていた 手袋も 指輪も
男達も

にらむように前を見つめて
森の出口を探す少女の手からは
握り締めていたはずの 大事なものが
ぽろぽろ
ぽろぽろと
零れ落ちてゆく

捨てるつもりなんて なかったのに


自由詩 失物 Copyright スプートニク 2007-03-19 00:00:34
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