そう仕向けたのは僕
暗闇れもん

「お腹が空いていたの」

可愛い妹はそう呟いた

僕の怒りを恐れ、下を向く妹

違う

そう僕は思った

あどけない

心をくすぐる様な笑顔こそ

妹には相応しい

透き通るような肌
誘うサクランボの様な赤い唇

何もかもが僕の心を激しく狂わせ

時に残酷な欲望まで目覚めさせる

可愛い妹

抑えていたのは理性

でも

妹の唯一つの言葉で脆くも崩れ去る

「好き」

その裏には何の策略もない純粋な言葉

でも

僕には麻薬よりも激しく我を失わせるものでしかなかった


「お腹が空いていたの」

妹の声が遠くで聞こえる


好きだよ


頭を埋め尽くすのは恐怖ではなく

妹の一部となる自分自身への賛歌






自由詩 そう仕向けたのは僕 Copyright 暗闇れもん 2003-08-13 00:35:18
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